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全身麻酔用・集中治療用鎮痛剤 レミフェンタニル塩酸塩
貯法:室温保存

監修:福井大学医学部附属病院 
麻酔科蘇生科 
教授 松木 悠佳 先生

覚えておきたい!4つのポイント

  • 1

    投与中止後5~10分後には作用が消失する超短時間作用型

  • 2

    血液中並びに組織内に存在する非特異的エステラーゼにより速やかに加水分解されるため肝・腎機能に代謝が左右されにくく、蓄積性が少ない

  • 3

    フェンタニルとほぼ同等(フェンタニルを1とした相対効力1.2)の鎮痛効果を持つ1,2)

  • 4

    重大な副作用として筋硬直、換気困難、呼吸停止、呼吸抑制、低血圧、血圧低下、徐脈、不全収縮、心停止、ショック、アナフィラキシー、全身痙攣などに注意

更新日:2026年9月 監修医にいただいたコメントは作成時点(2026年9月時点)のものとなります。
ご使用にあたっては電子添文をご確認ください。
■警告
本剤は添加剤としてグリシンを含むため、硬膜外およびくも膜下への投与は行わないこと。
■禁忌
  • ・本剤の成分またはフェンタニル系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
  • ・ナルメフェン塩酸塩を投与中の患者または投与中止後1週間以内の患者

発現が早く、半減期も短い薬剤

作用機序

選択的なμ-オピオイド受容体アゴニストとして作用し、強力な鎮痛作用を示すと考えられています3)。

効能・効果

  • 成人:全身麻酔の導入および維持における鎮痛
  • 小児:全身麻酔の維持における鎮痛
  • 集中治療における人工呼吸中の鎮痛

※ご使用にあたっては電子添文をご確認ください。

先生から一言!
よく使われるシーン、
使用頻度の高い手術
全身麻酔で行う手術の場合では、主にレミフェンタニルを術中の鎮痛剤として使用します。発現も早く、半減期も短いので、手術の長さにかかわらず、選択肢の一つとなります。

使用方法

投与経路

静脈内投与(基本的に持続静注)

用法・用量

ご使用にあたっては電子添文をご確認ください。

成人

全身麻酔の導入および維持における鎮痛
他の全身麻酔剤を必ず併用しながら、下記用量を用いてください。
  • 麻酔導入
    通常、レミフェンタニルとして0.5μg/kg/分の速さで持続静脈内投与します。なお、ダブルルーメンチューブの使用、挿管困難等、気管挿管時に強い刺激が予想される場合には、1.0μg/kg/分としてください。また、必要に応じて、持続静脈内投与開始前にレミフェンタニルとして1.0μg/kgを30~60秒かけて単回静脈内投与することができます。ただし、気管挿管を本剤の投与開始から10分以上経過した後に行う場合には単回静脈内投与の必要はありません。
  • 麻酔維持
    通常、レミフェンタニルとして0.25μg/kg/分の速さで持続静脈内投与します。なお、投与速度については、患者の全身状態を観察しながら、2~5分間隔で25~100%の範囲で加速または25~50%の範囲で減速できますが、最大でも2.0μg/kg/分を超えないでください。浅麻酔時には、レミフェンタニルとして0.5~1.0μg/kgを2~5分間隔で追加単回静脈内投与することができます。
集中治療における人工呼吸中の鎮痛
通常、レミフェンタニルとして0.025μg/kg/分の速さで持続静脈内投与を開始し、患者の全身状態を観察しながら、適切な鎮痛が得られるよう、投与速度を適宜調節します。投与速度の調節は5分以上の間隔で、0.1μg/kg/分までは最大0.025μg/kg/分ずつ加速または減速させ、0.1μg/kg/分を超える場合は25~50%の範囲で加速または最大25%の範囲で減速させますが、投与速度の上限は0.5μg/kg/分です。投与終了時は、10分以上の間隔で最大25%ずつ減速させて、0.025μg/kg/分を目安として投与終了します。

小児

全身麻酔の維持における鎮痛
1歳以上の小児では他の全身麻酔剤を必ず併用し、下記用量を用いてください。
  • 麻酔維持
    通常、レミフェンタニルとして0.25μg/kg/分の速さで持続静脈内投与します。なお、投与速度については、患者の全身状態を観察しながら、2~5分間隔で25~100%の範囲で加速または25~50%の範囲で減速できますが、最大でも1.3μg/kg/分までです。浅麻酔時には、レミフェンタニルとして1.0μg/kgを2~5分間隔で追加単回静脈内投与することができます。
教えて先生

集中治療における人工呼吸中の鎮痛で投与している時に効果が不十分な場合には、追加として単回静脈内投与してもいいですか?

投与してはいけません。単回静脈内投与は急激な血中濃度上昇により呼吸抑制や胸壁硬直・循環抑制など重篤な副作用を生じるおそれがあるため行わず、持続投与量の調整で対応します。
電子添文にも以下の記載があります。
7.4 単回静脈内投与は行わないこと。

投与の準備

本剤は投与前にプロポフォール等他の薬剤と混合しないでください。また、規定した溶解液(注射用水、生理食塩液または5%ブドウ糖注射液)および希釈液(生理食塩液または5%ブドウ糖注射液)のみを用いて調製してください。本剤を溶解して高pH(pH>6)になった場合には、含量の低下、分解物の増加が認められています。
先生から一言!
  • バイアルから薬液を吸引しづらい時の対処法
    バイアル内圧の陰圧化を防ぐため、あらかじめ注射器内の空気をバイアル内へ送気し、その後薬液を吸引します。
  • 低用量すぎて閉塞のリスクがある場合
    延長ライン用量やデッドスペースの影響を考慮し、可能な限りルートが短く細い、低用量ラインを使用します。
  • 薬剤を溶解し忘れ希釈液のみの薬液を作らないようにする予防策
    薬剤未溶解のまま希釈液のみを調製することを防止するため、調製前後で薬剤バイアルの空確認および溶解操作のダブルチェックを実施します。
薬剤調製時の注意

<溶解法>
レミフェンタニル濃度が1mg/mLになるように、バイアル内に注射用水、生理食塩液または5%ブドウ糖注射液を注入して、よく振盪して完全に溶解します。

<希釈法>
レミフェンタニルとして100μg/mL(20~250μg/mL)になるように、生理食塩液または5%ブドウ糖注射液で希釈します。また、希釈後は安定性が低下するので、24時間以内に使用してください。注射用水は、溶液が等張とならないため希釈液として用いないでください。

溶解および希釈に必要な総液量
最終濃度 薬剤
(1バイアル)
溶解に必要な液量 希釈に必要な液量 溶解後総液量
100μg/mL 2mgバイアル 2mL 18mL 20mL
5mgバイアル 5mL 45mL 50mL
薬剤投与時の注意

本剤は静脈内のみに投与します。
静注用ラインは専用のラインを使用し、静脈穿刺部もしくはその近位に接続します。なお、本剤を持続静脈内投与する際には、必ずシリンジポンプ等を用いてください。
血液/血清/血漿と同じ静注用ラインへ本剤を投与しないでください。血液由来の非特異的エステラーゼにより本剤が加水分解されるおそれがあります。

本剤の投与終了後、本剤を投与したラインを洗浄する際には、本剤の残液が急速静注されるおそれがありますので、十分注意してください。本剤を投与する際に用いた静注用ラインで他の薬剤を投与してはいけません。
同一患者に対する一回の使用で残液がでた場合には、麻薬に関する所定の手続きにしたがって廃棄してください。

先生から一言!

レミフェンタニルは超短時間作用型であり、流量変化やデッドスペースの影響を受けやすいため、基本的には単独ルートが推奨されます。理由としては、側管投与や三方活栓併用では、ベース輸液の流量変化の影響を受けやすいことや、三方活栓から患者間のデッドスペースにより、ボーラス様投与が起こり得ること、他剤投与時のフラッシュで残存レミフェンタニルが急速投与される可能性があるためです。一方で、実臨床では三方活栓経由で投与されることもあります。その場合の注意点としては、三方活栓から患者間距離を可能な限り短くすること、 ベース輸液の輸液流量を安定化させること、他剤側注時の急速フラッシュを避けること、ライン交換・クレンメ操作時の薬液押し込みに注意する、などが重要です。

薬物動態

成人(全身麻酔時)

  • 半減期
    動脈血液中未変化体濃度は二相性の消失を示します4)。
    単回静脈内投与時
    日本人患者36例にレミフェンタニルとして0.25、0.5、1.0および2.0μg/kgを1分間かけて単回静脈内投与したとき、0.6~1.3分(t1/2α)および6.7~11.5分(t1/2β)でした。

    持続静脈内投与時
    日本人患者37例にレミフェンタニルとして0.125、0.25、0.5および1.0μg/kg/分を持続静脈内投与したとき、1.3~2.3分(t1/2α)および12.6~16.5分(t1/2β)で、用量並びに投与方法にかかわらずほぼ一定でした。
日本人患者にレミフェンタニルとして0.125、0.25、0.5および1.0μg/kg/分を
持続静脈内投与したときの動脈血液中未変化体の薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
投与量
(μg/kg/分)
Cmax
(ng/mL)
t1/2α
(min)
t1/2β
(min)
AUC
(ng・min/mL)
CL
(mL/min/kg)
Vss
(mL/kg)
0.125
(n=11)
3.08
±0.94
1.30
±0.77
12.62
±8.37
690.5
±335.7
44.8
±15.5
303
±133
0.25
(n=12)
5.53
±2.02
1.89
±1.00
16.48
±12.65
1235.4
±703.7
55.4
±35.1
406
±296
0.5
(n=12)
11.23
±2.99
1.59
±0.86
15.01
±11.04
1975.8
±699.8
48.3
±16.2
316
±165
1.0
(n=1)
22.03 2.30 13.81 4978 45.4 296

成人(集中治療下)5)

集中治療において人工呼吸管理下で鎮痛が必要な20歳以上の患者(24例)に、レミフェンタニルとして0.025μg/kg/分で持続静脈内投与開始後、至適鎮痛レベルが得られるように0.5μg/kg/分を上限に投与速度を調節したとき、16.97分でした。

日本人集中治療患者にレミフェンタニルを持続静脈内投与したときの
動脈血液中未変化体の薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
t1/2
(min)
AUC0-inf
(ng・min/mL)
Cmax
(ng/mL)
CL
(mL/min/kg)
Vss
(mL/kg)
16.97
±19.81
1726
±2937
1.803
±1.594
41.65
±19.70
9600
±16870

海外シミュレーションデータによるCSHT:3分6)

解説6)
CSHT:context sensitive half-timeとは?

CSHTとは、持続投与終了後の血液中薬物濃度が 50%低下するまでの時間を指します。従来の半減期とは異なり、投与時間の影響を反映している値となります。
フェンタニルでは、投与時間が長くなるほどCSHTが上昇していることがわかります。一方、レミフェンタニルはCSHTは約3分と、投与時間にかかわらず一定です。

CSHT解説図
  • 分布(レミフェンタニル2~50ng/mL 、in vitro)7)
    血漿蛋白結合率:71~72%
    アルブミンへの結合率:14~16%
    α1-酸性糖蛋白への結合率:38~47%
  • 代謝
    レミフェンタニルは血液中並びに組織内に存在する非特異的エステラーゼにより、速やかに加水分解され、低活性代謝物である脱メチル体を生じます。この脱メチル体の活性は、未変化体の1/270~1/4600です。なお、レミフェンタニルは偽性コリンエステラーゼでは加水分解されません5)。
  • 排泄
    尿中に排泄されます8) 。

作用発現時間・作用持続時間9)


作用発現時間:約1分
作用持続時間:5~10分

使用時の流れ

薬液調製時は、規定濃度(1mg/10mL)となるよう無菌的に溶解・希釈操作を行います。
凍結乾燥製剤であるため、まず溶解液を用いて十分に溶解した後、必要量をシリンジへ採取します。
薬液調製後は、シリンジポンプに装着し、シリンジサイズおよび薬剤設定を確認します。
2mg製剤では20mLシリンジポンプで、5mg製剤では50mLシリンジポンプで設定します。
微量持続投与では流量誤差や閉塞検知遅延が生じやすいため、必要に応じて濃度調整を行い、シリンジポンプの適正流量範囲内で使用します。
装着後は、延長ラインを含めて十分にプライミングを行い、ライン内の空気除去および薬液充填を確認します。
麻酔導入時は、基本的には0.5μg/kg/minで開始します。患者の年齢や合併症に応じて、導入量を減量します。
挿管後は0.25μg/kg/minに減量します。
手術中は患者の状態を観察しながら適宜調整を行います。
先生から一言!

調製時は、薬剤未溶解や希釈液のみの調製を防止するため、空バイアル確認および薬液外観確認のダブルチェックを行いましょう。また、吸引抵抗を軽減する目的で、必要に応じて吸引予定量相当の空気をバイアル内へ注入し、内圧調整後に薬液を採取しましょう。

使用する上での重要な注意点

効能共通

  • 本剤は作用消失が急速で、投与中止5~10分後には作用が消失します。そのため、本剤の投与中止前、もしくは直後に鎮痛剤を投与するなど適切な疼痛管理を行ってください。
  • まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがありますので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合には直ちに救急処置のとれるよう、常時準備しておいてください。
  • 本剤の影響が完全に消失するまでは、自動車の運転や危険を伴う機械の操作等に従事しないよう、患者に注意してください。
  • 本剤は強オピオイドであり呼吸循環への影響が予測されるため、必ず気道確保、呼吸管理等の蘇生設備の完備された場所で、心電図による監視、血圧の測定等、心機能をモニターしてください。

成人:全身麻酔の導入および維持における鎮痛、小児:全身麻酔の維持における鎮痛

  • 本剤投与にあたっては、原則としてあらかじめ絶食させてください。
  • 本剤の使用に際しては、一般の全身麻酔剤と同様、麻酔開始より患者が完全に覚醒するまで、麻酔技術に熟練した医師が専任で患者の全身状態を十分に監視してください。
  • 患者の全身状態を観察しながら、本剤および併用する全身麻酔剤の投与量に注意し、麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめてください。

集中治療における人工呼吸中の鎮痛

  • 本剤の使用に際しては、集中治療に習熟した医師が患者の全身状態を注意深く継続して監視してください。
  • 本剤投与中は挿管または気管切開による気道確保を行ってください。
  • 移送を伴う場合には、患者管理に熟練した医師の付き添いのもと、循環動態、呼吸等について継続的な監視体制が整った状況で投与し、循環動態の変動および呼吸等に特に注意してください。
  • 本剤投与中は至適鎮痛レベルが得られるよう患者の全身状態を観察しながら投与速度を調節してください。鎮痛レベルおよび鎮静レベルの両方が至適レベルを満たしていない場合は、先に至適鎮痛レベルを満たすように本剤の投与速度を調節した後、鎮静剤併用の必要性の判断を含め、至適鎮静レベルを満たすように鎮静剤の投与速度を調節してください。
  • 本剤は鎮静作用を有するため、他の鎮静剤と併用する際には鎮静剤の過量投与に注意してください。
  • 長期投与後の急激な投与中止により、頻脈、高血圧等の離脱症状があらわれることがありますので、投与を中止する場合には、用法および用量を遵守し、徐々に減量するなど慎重に行ってください。

過量投与

筋硬直、呼吸抑制、血圧低下、徐脈等があらわれることがあります。
その場合は、本剤の投与速度の減速または投与中止を含め、必要に応じて適切な処置等を行ってください。

  • 筋硬直に対しては、筋弛緩剤の投与を行ってください。
  • 呼吸抑制に対しては、必要に応じて麻薬拮抗剤(ナロキソン塩酸塩、レバロルファン酒石酸塩等)の投与を行ってください。
  • 血圧低下に対しては、輸液、昇圧剤の使用等適切な処置を行ってください。
  • 徐脈に対しては、輸液、昇圧剤、アトロピン硫酸塩等の副交感神経遮断剤の使用等適切な処置を行ってください。
先生から一言!
  • 分娩時鎮痛には使わないように
    レミフェンタニルは強力な呼吸抑制をきたす可能性があるため、適切な呼吸・循環監視体制下で使用してください。
    レミフェンタニルは強力な循環抑制をきたす可能性があるため、徐脈や血圧低下に注意が必要です。高齢者や元々徐脈傾向の方には使用する際に注意しましょう。
    レミフェンタニル投与終了後は速やかに効果消失するため、術後鎮痛への移行不足による急激な疼痛出現に注意してください。
    また、レミフェンタニルは全身麻酔では有用な薬剤ですが、自発呼吸下の分娩時鎮痛としては適応外10)とされています。強い呼吸抑制・循環抑制を急速にきたす可能性があるうえ、分娩後期に増強する体性痛には効果が乏しいため、十分な鎮痛も得られません。こうした理由から、日本麻酔科学会も自発呼吸下の分娩時鎮痛への使用は不適切と提言しています。母体と胎児双方の安全を守るため、分娩では他の鎮痛法を選択し、レミフェンタニルは全身麻酔下での適切な監視体制のもとで使用することが重要です。

副作用

重大な副作用

筋硬直、換気困難、呼吸停止、呼吸抑制、低血圧、血圧低下、徐脈、不全収縮、心停止、ショック、アナフィラキシー、全身痙攣
詳細やそのほかの副作用については電子添文をご確認ください。
先生から一言!
  • 呼吸抑制は特に注意
    特に高齢者、肥満患者、睡眠時無呼吸症候群患者では呼吸抑制に注意してください。
  • 筋硬直が起きた際の具体的な対応法・筋弛緩剤の投与量 など
    レミフェンタニル投与時には、急速投与や高用量投与により胸郭筋を中心とした筋硬直を生じることがあります。特に麻酔導入時には、換気困難、用手換気抵抗増加、開口困難、胸郭運動低下として認められる場合があり、重症例では急速な低酸素化をきたす可能性があります。筋硬直が疑われた場合は、100%酸素投与下で気道確保および換気補助を行います。軽度の場合は、静脈麻酔薬追加投与により改善することがありますが、換気困難を伴う場合には速やかに筋弛緩薬投与を検討してください。筋弛緩薬としては、一般的にロクロニウム 0.6〜0.9mg/kg静注します。筋弛緩薬投与後は、速やかに用手換気または気管挿管による換気確保を行い、酸素化改善を確認しましょう。

併用薬

併用禁忌

  • ナルメフェン塩酸塩
    鎮痛作用が減弱するおそれがあります。ナルメフェン塩酸塩を投与中の患者または投与中止後1週間以内の患者には投与しないでください。緊急の手術等によりやむを得ず併用する場合には患者ごとに本剤の用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察してください。手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にナルメフェン塩酸塩の投与を中断してください。

併用注意

  • 中枢神経抑制作用を有するため麻酔・鎮静等の作用が増強するおそれがある薬剤
    中枢神経抑制作用を有する薬剤(全身麻酔剤、ベンゾジアゼピン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等)、アルコール、オピオイド剤
  • 心抑制作用により徐脈、血圧低下作用が増強するおそれがある薬剤
    β遮断剤、カルシウム拮抗剤等
先生から一言!
レミフェンタニルは他の鎮静薬・麻酔薬併用により呼吸抑制および循環抑制が増強されるため、併用時は少量から慎重に投与調整を行う必要があります。
β遮断薬併用患者では、レミフェンタニル投与による徐脈・血圧低下が遷延・増強する場合があります。導入時は循環変動に十分に注意が必要です。

拮抗薬

  • ナロキソン塩酸塩
  • レバロルファン酒石酸塩

取り扱い・管理11)

麻薬管理者が管理する必要があります。
麻薬のため、保管する場合は、施設内に設けた鍵にかけた堅固な設備内に保管する必要があり、他の医薬品(覚せい剤を除く)とは区別して保管してください。
「鍵をかけた堅固な設備」とは、麻薬専用の固定した金庫または容易に移動できない金庫(重量金庫)で施錠することができるものです。
受払い簿などを作成し、譲り受け、廃棄、譲り渡し、施用、麻薬事故届提出の場合に品名、数量、その年月日を記載する必要があります。
  1. <参考資料>
  2. 1) Lang E, et al. : Anesthesiology. 1996;85(4):721-728. (PMID:8873541)
  3. 2) Albrecht S,et al. : Anesth Analg. 1999;89:(4S):40-45. (PMID:10511077)
  4. 3) 佐藤公道 他. 第2部 各論 C.ペプチド系伝達物質 オピオイド類. 神経精神薬理 19: 190. (1997).
  5. 4) 槇田浩史, 他:麻酔と蘇生, 2005 : 41(4) : 105-115
  6. 5) Matsuyuki Doi, et al. : J Intensive Care. 2023;11(1):51. Published 2023 Nov 13. (PMID:37953283)
  7. 6) Egan TD, et al. : Anesthesiology 1993;79(5):881-892.(PMID:7902032)
  8. 7) Davis, P. J., et al.:Anesth. Analg., 2002;95(5) : 1305-1307. (PMID:12401616)
  9. 8) 橋本 敬太郎 他監訳:グッドマン・ギルマン薬理書・第13版[上巻],廣川書店,2022,600.
  10. 9) 稲田英一 他.:臨床麻酔実践シリーズ 1 すぐ役に立つレミフェンタニル(アルチバ)の使用法, ライフメディコム,2007, 73-82.
  11. 10)レミフェンタニル塩酸塩(アルチバ静注用 2mg、5mg、レミフェンタニル静注用 2mg、5mg「第一三共」)の適正使用に関するお知らせ
    https://www.maruishi-pharm.co.jp/medical/media/remifentanil_tekisei_250714.pdf
  12. 11)「病院・診療所における麻薬管理マニュアル:平成23年4月」(厚生労働省)
    https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/mayaku_kanri_01.pdfを編集して作成.