丸石製薬株式会社

ホーム 一般・患者の皆さま 麻酔・鎮静情報 麻酔を受けられる方へ 麻酔とは 麻酔の種類

目次

監修:関西医科大学麻酔科学講座 主任教授 上林 卓彦 先生(2020年8月作成)

麻酔の種類

麻酔の種類

全身麻酔

全身麻酔

麻酔開始前に口元にマスクを添えて、酸素を吸っていただきます。

麻酔科医の指示に従って、息を吸ったり吐いたりしてください。
その間に点滴の所から麻酔薬を流すので、いつの間にか眠ります。
ガスの麻酔薬を使って眠らせることもあります。

麻酔が始まったら通常、口からのどの奥(喉頭)に指の太さくらいの管を入れます。
合成樹脂のやわらかい管です。

これは手術中に安全 に呼吸してもらうために必要なものです。
この管は眠っている間に入れるため苦痛はありません。

ただし管を入れる時や抜くときなど、稀に歯を痛めることがあります。
弱い歯やグラグラしている歯がある方は手術前に麻酔科医や看護師に伝えてください。

手術が終わると同時に麻酔薬の投与を中止します。

全身麻酔は通常速やかに覚めますが手術の種類や患者さんの状態によっては、目覚めるのに時間がかかることがあります。

麻酔から十分覚めたことを確認したら
のどに入れた管を抜き

病室へ戻ります。

のどは敏感な場所ですから、手術後数日間、のどに違和感があったり、
声がかすれることがあります。

脊髄くも膜下麻酔

脊髄くも膜下麻酔(せきずいくもまくかますい)

局所麻酔の一種です。
下半身の手術の麻酔によく使われます。
横になったまま背中を麻酔科医の方へ向けてください。

腰のところに麻酔の注射を行います。

使用する注射の針はとても細いものです。

麻酔は4時間から6時間効きます。
この間、下半身はしびれています。

下半身の感覚は数時間後からゆっくり戻ります。

手術中は点滴の所から別の麻酔薬を注射して眠ることもあります。

全身麻酔を併用したり、睡眠薬を用いた場合には、
完全に覚めるまで時間がかかることもあります。

脊髄くも膜下麻酔を受けた際、時に手術後に頭痛が起こる場合があります。

この頭痛は日が経つにつれて自然に治りますが、
頭痛が強くて辛いときには麻酔科医に相談してください。

硬膜外麻酔

硬膜外麻酔(こうまくがいますい)
局所麻酔の一種で、胸部や腹部、下半身などの手術によく使われています。

背中に刺した特殊な針を使って、細いカテーテル(管)を脊髄の近くに入れます。
15分ぐらいかかります。

手術台の上で横になってもらい、背中を麻酔科医の方に向けて丸くなってください。

カテーテルを入れるのに使った針はすぐ抜きますが、カテーテルは必要がなくなるまで背中につけておきます。

このカテーテルを通して痛み止めの薬を必要に応じて注入します。
カテーテルから何回でも麻酔薬を入れることができます。

手術中は点滴のところから睡眠薬を入れたり、全身麻酔を併用することによって眠ったままでいることができます。

全身麻酔を併用したり、睡眠薬を用いた場合には、 完全に覚めるまで時間がかかることもあります。

手術が終わってからも、カテーテルから痛み止めを入れることによって、
手術後数日間にわたって痛みを軽減することができます。

必要がなくなったカテーテルは簡単に、抜くことができます。

神経ブロック

神経ブロック

神経の近くに局所麻酔薬を注射することによって
腕や足、お腹などに部分的な麻酔を行う場合もあります。

手術中は、麻酔科医が常に患者さんの状態を把握して、手術が安全に終わるように、
また、手術後も苦痛が少なく、順調に回復できるようにしています。​

安心して手術・麻酔を受けていただきますようお願いいたします。