丸石製薬株式会社

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独立行政法人 国立病院機構 下志津病院
看護部 副看護師長(感染管理認定看護師)

森野 誠子

  • 病院長の支持を得たうえで、感染防止対策委員会でWHO手指衛生多角的戦略1)の導入を決議し、病院全体で取り組んだ。
  • 「手指衛生自己評価フレームワーク(HHSAF)2)と「導入のてびき」3)を参考にしつつ、工夫しながら進めた。
  • 病棟で薬剤耐性菌のアウトブレイクが発生し、その原因が手指衛生遵守率の低さと考えられた。
  • 手指衛生の遵守率を向上させるために、何から始めればよいのか分からなかった。医師も含めて病院全体を巻き込むには、エビデンスが豊富で包括的なプログラムでないと厳しいと考えた。
  • 以前から気になっていたWHO手指衛生多角的戦略を導入するために、この「ピンチ」を「チャンス」として生かすべきと考えた。

5年間の活動の継続

当院では、毎年HHSAFを活用し、現在の病院の手指衛生レベルを判定し、手指衛生の取り組みの偏りや課題を確認した。また「導入の手引き」を参考に、初年度に「必要最低限項目」のすべてについて取り組み、「5つのステップ」の「1.準備決意」「2.事前評価」「3.実施結果」「4.事後評価」「5.計画立案」を毎年必ず実践した。手指衛生文化の土台作りからスタートし、徐々に各現場リーダー中心の手指衛生改善の取り組みに発展させていくように意識しながら、まずは5年間の継続を目指した。保育活動が活発な施設であることから、手指衛生の啓発においても歌の活用や、楽しくかわいいイラストの多用を意識した(図1)。1~5年目の活動の詳細について、(表1)に示した。

→ 図を横にスライドしてご覧ください

ICT中心から現場中心へ

  • 1年目

     1年目は、病院全体として取り組む決意を固め、ICTを中心にシステム・ハードの整備を行った。ほぼすべての取り組みは、ICTが計画、実行した。

  • 2年目

     2年目は、現場中心の取り組みが可能となる体制を整えた。多くの活動はICTが中心となって計画、実行したが、一部、特に「2.研修教育」「3.測定評価」の要素の活動に関しては、現場の手指衛生推進担当者たちによる取り組みが始まった。

  • 3年目

     3年目は、現場中心の取り組みが本格的に始動した。個人に対する報奨や教育的介入も実施した。各現場レベルでの活動活性化のために「5つの要素」の内容を重点的に取り組んだ。

  • 4年目

     4年目は、現場発の取り組みを広め、病棟単位で介入を行った。また、皮膚保護剤の導入も開始した。ICM会議で各部署による取り組みを発表し、伸び悩んでいる病棟については「月間ハイリスク病棟」として選出して、ICTが1ヵ月間毎週介入指導に入った。

  • 5年目

     5年目は、業務の流れのなかの手指衛生に着目し、全看護師の使用量調査や直接観察を実施した。ICMとLNが中心となり、各職場の日常業務における手指衛生の抜けがちな場面について分析し、改善に取り組んだ(表2)。

次につなげる!反省点と課題次につなげる!反省点と課題次につなげる!反省点と課題

現場職員の理解度に合わせた
体制構築

 現場職員の手指衛生への理解度が不十分な2年目の段階で、「手指衛生啓発ポスター」の作成を現場に依頼した際には、ICTとして指導したい内容とは合致しないポスターができあがってきたことがあった。現場の理解度や負担感を考慮し、本来伝えたいメッセージが伝わり、かつ現場でもクリエイティブに手を加えられる「ポスターテンプレート」をICTが用意し、配布することが大切であると気づいた。
 WHO手指衛生多角的戦略は、職員全員で取り組むために作成されている。しかし「現場に丸投げされている」と感じられるようなことがないか、つねに現場職員のハートをつかむことができているか、ICTは意識する必要がある。このためには、手指衛生の改善や推進について、各現場リーダーが生き生きとリーダーシップを発揮して活躍できる体制になっているか、また現場職員一人ひとりにとって「自分自身の取り組み」となっているかを評価し、病院長をはじめとする病院の上層部の理解や支援を得ながら、自施設の文化にあった取り組みを模索し、継続していく必要がある。
 また、一度手指衛生の文化が定着したと思っても、年度替わりや人事異動などによって、一時的に後退してしまったかのように思える時期もある。しかし、毎年5つのステップを回し、年度初めの「1.準備決意」のステップで、改めて病院としての決意を目に見える形で確認し、特に「4.事後評価」と「5.計画立案」のステップで、HHSAFを用いて施設の状況を真摯に自己評価しながら次年度の計画を立案していくことで、緩やかであっても持続的な成長を目指すことができると考える。

引用・参考文献
  • 1)

    WHO. WHO guidelines on hand hygiene in health care. https://www.who.int/publications/i/item/9789241597906

  • 2)

    AMR臨床リファレンスセンター. WHO Hand Hygiene Self-Assessment Framework 2010(WHO手指衛生自己評価フレームワーク2010年). https://amr.ncgm.go.jp/pdf/medic-m1.pdf

  • 3)

    WHO. A guide to the implementation of the WHO multimodal hand hygiene improvement strategy. https://iris.who.int/handle/10665/70030

  • 4)

    Suzuki, Y. et al. The effect of a 5-year hand hygiene initiative based on the WHO multimodal hand hygiene improvement strategy:an interrupted time-series study. Antimicrob Resist Infect Control. 9(1), 2020, doi:10.1186/s13756-020-00732-7.

INFECTION CONTROL. 34(1): 68-71, メディカ出版, 2025.
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2026年3月作成