消毒NAVI「ポータブルトイレのバケツ」
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ポータブルトイレのバケツ
現場でお困りの消毒方法について、尾家 重治先生（山陽小野田市立 山口東京理科大学 薬学部 教授）に解説していただきました。
なお、器具・物品や消毒剤等の取り扱いにつきましては、各製品の取扱説明書等をご確認ください。
ポータブルトイレのバケツの消毒方法
ポータブルトイレのバケツの消毒には、蒸気がもっとも適しています。90℃・1分間などの条件で、ベッドパンウォッシャー（フラッシャーディスインフェクタ）を用いた消毒を行います（図1）。
ベッドパンウォッシャーの設備がなければ、洗浄後に0.1%（1,000ppm）次亜塩素酸ナトリウムへの30分間浸漬を行います1,2)。また、一般細菌や酵母様真菌のみが対象であれば、0.1%両性界面活性剤への30分間浸漬でもよいです3-5）。
なお、腸管出血性大腸菌感染患者などで個人用トイレの設備がない場合には、使い捨てトイレなどで対応する方法が勧められます（図2）。
左：本体は使い捨てではないタイプ。 右：全体が使い捨てタイプ。
参考資料
- 1) 尾家重治, 他: Clostridium difficileの芽胞に対する次亜塩素酸ナトリウムおよびジクロルイソシアヌール酸ナトリウムの消毒効果. 環境感染, 27: 119-122, 2012【IC21663】
- 2) Sattar SA: Microbicides and the environmental control of nosocomial viral infections. J Hosp Infect, 56: S64-S69, 2004
- 3) Oie S, et al: Efficacy of disinfectants against biofilm cells of methicillin-resistant Staphylococcus aureus. Microbios, 85: 223-230, 1996
- 4) Takeo Y, et al: Efficacy of disinfectants against biofilm cells of Pseudomonas aeruginosa. Microbios, 79: 19-26, 1994 【IC02476】
- 5) Kawamura-Sato K, et al: Reduction of disinfectant bactericidal activities in clinically isolated Acinetobacter species in the presence of organic material. J Antimicrob Chemother, 61: 268-576, 2008