




はじめに
みなさん細菌学は好きですか。私は大好きですが、最初から好きだという方はかなり珍しい方だと思います。
こちらのコンテンツで細菌学を全て「楽に」マスターできるわけではありませんが、
「楽しさ」が伝わればと思います。一緒に学んでまいりましょう。
さて、気になっていると思いますので、先に解決しておきます。
ご存知の方もいるかもしれませんが、染方史郎(そめかたしろう)というクリエーター名を使って、
薬剤耐性菌対策の啓発活動などを行っております。LINEスタンプ(有料です)も作成しております。
趣味と実益を兼ねたアウトリーチ活動の一環です。菌の染め方を知ろうというオヤジギャグです。
このギャグを聞いて、読むのをやめようとした方、もう少しだけお付き合いください。
必ず、きっと、おそらく、いや、たぶん…、何かの役に立つと思います。
染方史郎(そめかた・しろう)
本名:金子幸弘。大阪公立大学大学院医学研究科細菌学教授。1997年長崎大学医学部卒。国立感染症研究所などを経て、2014年から現職。薬が効かない「薬剤耐性菌」の研究をしています。また、オリジナルキャラクター「バイキンズ®」で、細菌をわかりやすく伝える活動もしています。著書「染方史郎の楽しく覚えず好きになる 感じる細菌学×抗菌薬」(じほう)。

序章菌をキャラクターで理解する
先生考案の似た者同士をひとまとめにした「金子の分類」と、自筆のオリジナルキャラクター「バイキンズ」を用いて、細菌についてわかりやすく解説します。メインキャラである皇族系、庶民系、モンスター系、異星人系をはじめ、多彩なキャラたちをご紹介します。

第1章薬剤耐性菌(AMR)
院内感染で問題となる薬剤耐性菌(AMR)は、適応能力が高い庶民系とレアキャラであるモンスター系が主体となります。それらの細菌が耐性を獲得していくメカニズムや、二次耐性における耐性獲得機構である「鍛錬型」と「アイテムゲット型」などについて解説します。

第2章庶民系の細菌①
本章では、庶民系の細菌のうち、黄色ブドウ球菌と腸球菌を取り上げます。ブドウ球菌では特徴や分類、治療や抗MRSA薬などについて、腸球菌では特徴や分類に加え、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、クローンによる集団発生などについても解説します。

第3章庶民系の細菌②
本章では、庶民系の細菌のうち、大腸菌や肺炎桿菌といった腸内細菌目細菌を取り上げます。薬剤耐性を獲得したカルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)やカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌について解説します。

第4章モンスター系の細菌
モンスター系の代表である「グリーンモンスター」こと緑膿菌は、レアキャラであるものの、防御力が高く、耐性を獲得する能力も高いため、病気を起こすと治療しにくいという非常に厄介な細菌です。そうした細菌学的特徴や臨床的特徴、治療について解説します。

第5章異星人系の細菌
「ガホーケイ星(芽胞形成)」からやってきた異星人系の代表格がディフィシル菌です。耐熱構造になっているだけでなく、アルコールなど一部の消毒薬に抵抗性を示し、強烈な毒素をばらまきます。そうした細菌学的特徴や臨床的特徴、治療について解説します。







