ノロウイルスはウイルス性胃腸炎の原因として代表的な小型球形ウイルス(SRSV)に属するノーウォーク様ウイルスが2002年に国際ウイルス学会で新しく命名されたものです。ノロウイルスは、カリシウイルス科、ノロウイルス属に分類されている直径約30nmのエンベロープを持たないRNA ウイルスです。 |
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ノロウイルス感染による感染性胃腸炎や食中毒は年間を通して報告されていますが、特に冬季に多発・流行する傾向が全国的に見られます。 |
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基本的には経口による感染が主ですが、食中毒事例のうち、約7割は原因食品が特定できていないようです。感染力が強く、乾燥に強いため、接触や飛沫、空気感染による二次感染も容易に起こるといわれています。 |
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経口感染 |
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| ・生や十分に加熱していないウイルスに汚染された食品(カキなどの二枚貝が代表的原因食品) ・調理した人の手指や調理器具を介して汚染された非加熱食品(サラダ、サンドイッチなど) ・汚染された水や氷による(液体が汚染されると集団感染は大規模になりやすい) |
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接触感染(接触した手指を介し口から入る場合) |
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| ・感染した人の便や吐物に触れた手指を介する ・感染した人の手指や感染した人が触れた衣服、器具等への接触による |
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飛沫感染 |
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| ・患者の便や吐物が飛び散り、その飛沫を吸い込む ・便や吐物を不用意に始末したときに発生した飛沫を吸い込む | |
空気感染 |
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| ・患者の便や吐物の処理が不十分なため、それらが乾燥して飛沫よりもさらに細かい粒子となって空気中を漂い、経口感染する | |
加熱(消毒対象物が85℃1分以上になる条件)が有効とされています。 消毒剤では次亜塩素酸ナトリウムが有効であり、エタノールや逆性石鹸はあまり効果がないとされています。しかし、エタノール製剤については添加物の違いにより効果に様々な報告があります。次亜塩素酸ナトリウムについても有機物(血液、体液、食物残渣)の存在により速やかに濃度や効果が低下するなど、注意が必要になります。 ノロウイルスの消毒効果については、ヒトノロウイルスの消毒効果は技術的に確立していないため、代替ウイルスによる不活化効果をもとに判定されています。代替ウイルスに対する消毒薬の効果は次の通りです。 |
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報告例:1 各種消毒剤のネコカリシウイルス不活化効果(接触時間1分)3)
報告例:2 次亜塩素酸ナトリウムのネコカリシウイルス不活化効果4)
報告例:3-1 エタノール製剤のネコカリシウイルス不活化効果5)
報告例:3-2 エタノール製剤のマウスノロウイルス不活化効果5),6)
Log減少値:0はウイルス量の減少が認められず、1は90%、2は99%の不活性化を示します。 |
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ノロウイルスの感染経路は、汚染食品を介した経路と感染者からの二次感染に大別されます。食品を介した感染を防ぐには、ウイルスで汚染された食品の調理は加熱を十分に行うことが効果的です。また、調理器具の熱湯消毒・塩素消毒、手洗いや手袋の使用などが重要です。
人から人への感染予防としては、手洗いやうがいなどが重要とされています。標準予防策の徹底が最も重要で、その他接触予防策や飛沫予防策を実施し、状況に応じて適切な感染予防を行ってください。表にノロウイルスの感染防止対策について紹介します。
手 指 |
石けんを用いた十分な手洗いが対策の中心になります。弊社手指洗浄消毒剤としてはグリンス®、ネオグリンス®、マスキン®スクラブ4%、プレポダイン®スクラブ0.75%などがあります(洗浄効果を期待する)。 エタノールのみではあまり効果がないとされていますが、手洗い後、ウエルセプト®などを使用することにより追加効果が期待できます。 また、手袋を使用することは感染対策として有効ですが、他患者や周囲の環境を汚染しないよう、適切に交換することが必要です。 |
食 物 |
貝類、野菜など食品中のノロウイルスの失活温度と時間については、現時点においてこのウイルスを培養細胞で増やす手法が確立していないため、正確な数値はありませんが、同じようなウイルスから推定すると、食品の中心温度85℃以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性はなくなるとされています。 |
調理台 調理器具 |
調理器具等は十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム(ミルクポン®など)0.02%で消毒してください。また、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(消毒対象物が85℃1分以上になる条件)での加熱が有効です。 |
嘔吐物 糞 便 |
患者の吐物や糞便を処理するときには、使い捨てのマスクと手袋を着用し、汚物中のウイルスが飛び散らないように、静かに拭き取ってください。 床に付着した糞便や吐物は次亜塩素酸ナトリウム(ミルクポン®など)0.1%で拭き取ってください。また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐物や糞便は乾燥させないことが感染防止に重要です。 |
リネン類 |
ベッドマット、毛布、およびシーツなどのリネン類の消毒は、85℃1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、水洗後、次亜塩素酸ナトリウム(ミルクポン®など)0.02%の消毒が有効です。 |
環 境 |
ドアノブなどの環境を介した感染も考えられ、トイレ・風呂などを衛生的に保つことも求められます。消毒が必要な場合は次亜塩素酸ナトリウム(ミルクポン®など)0.02%などをご使用ください。ただし、次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性がありますのでその後水拭きして除去するなどの配慮が必要です。 |
次亜塩素酸ナトリウムの濃度につきましては、塩素濃度約200〜1000ppmが有効とされています。
なお、次亜塩素酸ナトリウムは、酸性の洗浄・漂白剤、シアヌール酸系の製品と混合すると塩素ガスが発生して危険ですので、注意してご使用ください。
| 1) | 厚生労働省: |
kanren/yobou/dl/040204-1.pdf |
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| 2) | 横浜市衛生研究所感染症・疫学情報課: |
| 3) | 福山市保健所保健予防課のホームページより: |
| 4) | 丸石製薬株式会社資料 |
| 5) | 奥西淳二 他:YAKUGAKU ZASSHI 130(5), 747-754, 2010 |
| 6) | 丸石製薬株式会社資料 |